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歯医者が考える正しい歯医者の選び方(矯正治療編)

 

歯並び(お口元)を綺麗にする方法の種類

歯並びを綺麗にする方法は、大きく分けて矯正治療とセラミックによる被せものによって綺麗にするセラミック矯正の2つの方法に分かれます。
自分の現在の歯並び(お口元)の何が気になっているか、また歯の形も変えたいのか、歯の色をどこまで白くしたいのか、費用はいくらまでにしたいか、期間はどこまでかけられるかによってお勧めの方法は異なります。患者様一人ひとりのご希望、条件によってBESTな方法が変わってくるのです。
まずは綺麗にする方法の分類と簡単な特徴を図にしました。

矯正治療はワイヤーによる矯正と、マウスピースによる矯正の2つの方法があります。また各々、目的によって全体を矯正する全体矯正と部分だけ矯正する部分矯正があります。
セラミック矯正はどの素材で何本やるか、また色や形をどうするかという選択肢になります。

矯正治療とセラミック矯正の違い

セラミック矯正 矯正治療
治療期間

最短2回の来院

1週間~約1カ月

全体矯正:1年~3年

部分矯正:3ヶ月~5ヶ月

(+保定期間 矯正にかかった期間の倍)

費用

選んだセラミックの費用 x 治療する本数

全体矯正:約70万~

部分矯正:使用するワイヤーによって変動

     インビザラインgo 約45万

メリット

歯の形や色も変えることができる

治療期間が短い

セラミックにした歯は一生選んだ色をキープできる

※着色しない

歯を削らない

全体矯正の場合:不正咬合も治せる

デメリット

歯を削る

歯の向きを大きく変える時は神経をとらなければならないことがある

治療期間が長い(全体の場合)

治療費が高額(全体の場合)

矯正期間中に虫歯歯周病になりやすい

保定期間(動かした歯が後戻りしないように保定装置をつける期間)がある

セラミック矯正が向いている人

  • 時間をかけたくない人←最短2回の治療で完成
  • 色をホワイトニングでなる白さよりも白くしたい人
  • 歯の形も変えたい人←現在の歯が大きくて気になるなど
  • 生まれつき歯の色が悪くてコンプレックスな人
  • 今後一生着色したくない人
  • すでに前歯が虫歯で治療されていて、セラミック矯正のデメリットである歯を削るというマイナスが少ない人
  • 虫歯になっていて、外見の為だけではなく、治療としてもどちらにしろ歯を削る必要がある人
  • 矯正治療は、矯正期間中の時間だけではなく、治った後に後戻りしないようにする保定期間があってその間も保定装置をつけていなければならないのですが、それが嫌な人(特に全体矯正)

矯正治療が向いている人

  • 歯を外見の為には削りたくない人
  • 前歯にいままで治療された経験がなく、現在も虫歯がない人
  • 口腔内の清掃をきちんとできる人
    ※矯正治療中は虫歯、歯周病になるリスクが上がります(特にワイヤー矯正)

セラミック矯正と矯正治療の混合が向いている人

  • 自分の目的のために費用をかけることができる人
  • 歯の色や形も綺麗にしたいし、噛み合わせも機能的にも治したい人
    ※セラミック矯正のメリットと矯正治療のメリットの両方が欲しい人
  • セラミック矯正での治療を希望しており、基本的に治療期間も早く終わらせたいが、できるだけ歯の神経を温存したい人
    ※セラミック矯正で歯の向きを大きく変える時には、神経をとる必要が出てしまうため、矯正(4か月)である程度、歯の向きを治してから矯正する。
  • すでに前医で前歯を被せものや大きな詰め物で治していた方で、矯正で歯並びやかみ合わせを治すタイミングでそちらも綺麗なものに治したい人

矯正治療の分類

ワイヤー(全体) ワイヤー(部分) インビザライン インビザラインgo
症例の制限

なし

不正咬合も治せます

ワイヤーをつけた部分の歯のみ動かせる

全ての歯を動かすことができるが、難しい不正咬合や抜歯矯正には向いていない

前から5本目から5本目の計10本の前歯の矯正。
※奥歯は動きません

矯正期間中の快適さ

表のワイヤーはとても目立つ

裏のワイヤーはマウスピース矯正よりも目立たないが話しづらい

ワイヤーが当たって、痛む時がある

何本の歯にワイヤーをつけるかによる

透明なマウスピースなので目立たない

食事やハブラシの時に外すことができる

透明なマウスピースなので目立たない

食事やハブラシの時に外すことができる

期間

約1年~3年

治療内容によるが、約3ヶ月~1年半

約1年~3年

約3ヶ月~5ヶ月

費用

約70万(表のワイヤーの場合)~110万(フルリンガルの場合)

約10万~50万(内容によって変動)

約100万

前歯10本の矯正
上下の歯:約45万
上下どちらか:約30万

矯正中の来院回数

月1回

月1回

月1回~半年1回まで様々

3~5ヶ月の矯正期間中に1回~5回

来院回数は患者様と歯科医院によって変動する

ワイヤーの全体矯正が向いている人

  • 不正咬合などのかみ合わせもしっかり治したい人でマウスピースによる矯正では治せない人
    ※ワイヤーによる全体矯正が矯正の中では1番歯を動かすことができて、治療可能な症例が多い。
  • 正面から見たときに矯正していることがとにかくばれたくない人(裏側矯正のみ)
    ※外見ではばれないが、活舌が悪くなるので活舌でばれる可能性あり。
  • 全体矯正をやりたいができるだけ費用を抑えたい人。(上下、表の矯正)
    ※全体矯正の中ではマウスピース矯正も含めて上下表の矯正が一番価格が低い
  • 口腔内の清掃がきちんとできる人
    ※ワイヤーがついていると清掃がとても難しく、きちんと清掃ができないと虫歯になってしまいます。せっかく歯を削らずに歯並びを治せる矯正治療を選んだのに、矯正治療後虫歯のために歯を削ることになってしまいます。

ワイヤーの部分矯正が向いている人

  • 本当に一部だけを治す人(1本だけ角度がついてしまった歯の角度を変えるなど)
  • 部分だけを治す人で内容がマウスピースによる部分矯正よりもワイヤーでやった方が、安価になる人。早く終わる人。目的を叶えやすい人。

マウスピースの全体矯正(invisalign)が向いている人

  • 全体的に治したい人で、invisalignの適応で十分に治せる人
    ※基本的に矯正期間中のストレスはワイヤー矯正よりも段違いでinvisalignの方が少ない
  • 24時間中20時間はマウスピースをつけていてほしいのですが、いつでも自分で外せるので、つけない時間が多くなってしまう人は向いていない

マウスピースの部分矯正(invisalign go)が向いている人

  • 噛み合わせを治したいというよりも、見える部分の歯並びを早く、安価で、矯正期間中のストレスもなく治したい人←上記が主訴な人でinvisalign goが適応な人は、すべての矯正の中で最もこれがお勧めです。

私がマウスピース矯正の中ではinvisalign とinvisalign go が一番おすすめの理由

  • マウスピース矯正のトップブランドであり、マウスピースの素材もSmartTrackという素材の特許を保有しています。また、この素材は歯の移動しやすさ、矯正期間中の痛みの出にくさの点で他のブランドよりも格段に優れており、マウスピースの製作工程から管理までトップブランドらしく徹底しています。
  • 私は「他ブランドで矯正をしたが、治りが悪くinvisalignでやり直した」という人を聞いたことはありますが、逆は聞いたことありません。

Invisalignは他ブランドよりやや価格が高くなりやすいですが、これは原価の差でもあります。私は矯正という医療行為においては、外見的な仕上がりや、機能的な仕上がりがとても重要となるので、せっかく矯正治療をするのならば、若干だけ価格の相場は他ブランドよりも上がりますが、トップブランドであるinvisalignをお勧めしています。
当院のInvisalignについてはの詳細は以下のページにてご確認くださいませ。
セラミック矯正も「どの素材で治療するか」や「どこの歯科医院で治療するか」で外見や機能の仕上がりが大きく異なります。こちらについての詳細は歯医者が考える正しい歯医者の選び方(セラミック矯正編)をご覧ください。

矯正治療をするクリニックを選ぶポイント

自分のこだわりだけで治療法を選ぶのではなくその患者様の主訴(一番治したい部分)や可能な治療費、治療期間にあわせた矯正治療の方法を提案できて、実行できるクリニック。矯正治療の種類の豊富なクリニック

歯科医師は職人肌の部分もあるので、自分のこだわりを患者様に押し付けてしまう先生もいます。患者側は金額もできるだけ安く、期間も短く前歯の気になるところだけを治したいのに「奥歯のかみ合わせも絶対治さなければだめだ」と、全体のワイヤー治療を提案する人もいます。逆に、「噛み合わせもしっかり治して外見的にも機能的にも治したい」という患者様に、歯科医師の技術不足で対応できない、もしくはやってみたがいつまでたっても綺麗にならないということもあります。
私自身、若い頃に矯正をしました。ワイヤーの抜歯をする矯正が適応だったのに、その時の先生が非抜歯(歯を抜かない矯正)にこだわりがあったために、ワイヤーの非抜歯矯正を選択されました。
治療計画を間違えると、もちろんよくなることもなく、矯正前は出っ歯ではなかったのですが、出っ歯になり、下の歯とも噛まなくなりました。それを治すのに他の先生のところで4年半矯正をしましたが、スタートが本来動かしたい方向とは逆に動かしてしまったので、ワイヤー矯正をしたほどのいい状態にはなりませんでした。
その時に今と同じ知識と治療法があれば、私は前歯10本のインビザラインの部分矯正を選んで、4か月で矯正を終わらせていたと思います。
ちなみに、先日、インビザラインの部分矯正で11年越しに歯並びを修正しました。

カウンセリング、説明をしっかりしてくれるクリニック

前述と被りますが、希望が叶う、悩みが改善しなければ、矯正治療をする意味がありません。
私の過去の場合はインビザラインgoが一番良かったと思いますが、どの治療が最適かは人にも悩みにもよります。
希望、悩みをしっかり聞いたうえでそれにあった治療法を提案してくれて、メリット、デメリットをちゃんと説明してくれるのはもちろんですが、治療後にどのような状態になるのかを治療前からイメージさせてくれるクリニックを選ぶことをお勧めします。

症例数、実績が多いクリニック 

患者様の希望を叶えるためには高い技術と経験が必要です。
過去の症例数が多い先生と少ない先生ではそれで得た技術力も経験も全然違います。
またカウンセリングや説明も症例を経験している先生の方が分かりやすく説明できるし、仕上がりのイメージも想像がつきやすいので、それを患者様に伝えることができます。また、過去にいろんな患者様と接しているので患者様の希望や悩みを共感もしてくれると思います。
ただ、「年齢=経験」でもないですし、「教授=うまい」ではないので気を付けてください。
月間30症例やっている人の10年間と、月間3症例の人の10年間では全然違います。
私自体最初にやってもらって後悔した先生も大学でもかなり上の先生でした。

外見的センスもある先生

矯正治療をする人は機能の為だけに治療する人はほとんどいません、外見の為、もしくは外見と機能両方の為にやる方がほとんどです。
外見的にもセンスがある先生のもとで治療をした方が絶対安心できますし、仕上がりにも満足できると思います。
センスがあるかどうかを見るポイントは

1. その先生自体も外見に気を使っているか
2. 過去の症例を見せてくれてそれが自分の好みと被る
3. カウンセリング、説明で話している内容で仕上がりがイメージできる、共感できる。
4. クリニックの内装やホームページも綺麗なクリニック

の4点です。
絶対ではないですが、同業として見た時の個人的な統計として、審美性の高い診療をする人はその人自体も外見に気を使っています。また、クリニックが汚い、ホームページも昔のままというところには外見的センスがない人の方が多い印象です。

監修・執筆

医療法人社団さとうDC
理事長佐藤悠野

当コラムは2020年12月26日に医療法人社団さとうDC 理事長の佐藤悠野が執筆しました。
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